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  1. 群馬県議会 2022-12-06
    令和 4年第3回定例会環境農林常任委員会(農政部関係)−12月06日-01号


    取得元: 群馬県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-03
    令和 4年第3回定例会環境農林常任委員会農政部関係)−12月06日-01号令和 4年第3回定例会環境農林常任委員会農政部関係委員会の名称 環境農林常任委員会 開催場所   403委員会室 開議年月日時 令和4年12月6日 午前9時58分 散会年月日時 令和4年12月6日 午後1時41分 会議の目的  令和4年第3回後期定例県議会における付託議案の審査        (農政部関係)        委員長 岸 善一郎  副委員長 高井俊一郎 委員 狩野浩志 出席委員   委員  伊藤祐司   委員   萩原 渉  委員 金井康夫        委員  加賀谷富士子 委員   入内島道隆 委員 亀山貴史 欠席委員   なし 執行部等出席者       【農政部】        部長          倉澤政則  副部長             小沼義晴        鳥獣被害対策担当参事  土屋真志  農林大学校長          藤井俊弘        農政課長        相澤 均  農業構造政策課長        砂盃 徹        技術支援課長      倉本高帆  蚕糸園芸課長          岸 篤志        ぐんまブランド推進課長 福島浩毅  畜産課長            砂長伸司        農村整備課長      松井秀夫  研究調整主監          清水養一
           担い手対策主監     渡邉 悟  絹主監             岡 喜久男        水利保全対策主監    福島計之  農業技術センター所長      小泉丈晴        水産試験場長      小西浩司  畜産試験場長          平井光浩        蚕糸技術センター所長  桑原伸夫  鳥獣被害対策支援センター所長  小野里光        農協検査指導室長    高田裕美  生産環境室長          今井祥丈        普及指導室長      関 直樹  家畜防疫対策室長        梅村 保 △開議 ○岸善一郎 委員長   ただいまから、環境農林常任委員会を開きます。  本日の委員会は、お手元に配付の次第により、農政部関係の審査を行います。  なお、議会広報のため、本日の審査風景議会事務局職員が撮影しますので、御承知おき願います。傍聴人は見えておりません。 △委員長あいさつ岸善一郎 委員長   (委員長あいさつ) △付託議案概要説明内容説明岸善一郎 委員長   それでは、本委員会に付託された議案について、概要説明及び内容説明をお願いします。 ◎倉澤 農政部長   (付託議案について概要説明) ◎相澤 農政課長   (第147号議案について、予算附属説明書により説明) ◎岸 蚕糸園芸課長   (第168号議案について、「資料1 県産ブランドニジマス養殖用配合飼料価格高騰対策支援」により説明) ◎砂長 畜産課長   (第168号議案について、「資料2 浅間牧場草地施設整備事業」及び「資料3 消費・安全対策交付金事業」により説明) ◎松井 農村整備課長   (第168号議案について、「資料4 補助公共事業について」により説明) ○岸善一郎 委員長   以上で、付託議案の説明は終わりました。 △付託議案の質疑 ○岸善一郎 委員長   これより、付託議案の質疑を行います。委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。なお、所管事項に関わる質疑は、付託議案の質疑が終了した後に行いますので、御了承願います。 ◆狩野浩志 委員   離乳豚舎前室の整備に関しては、我々としても1年前から要望していた内容であり、県内で9例の豚熱が発生している状況を鑑みるとスピード感が無いと言わざるを得ない。今後の発生予防対策について県独自の取組はどうか。 ◎梅村 家畜防疫対策室長  コンサルタント専門の獣医師をアドバイザーとして農場へ派遣して、衛生管理面の問題点を見つけ、それを踏まえた事業を国へ要望するなどの取組を実施している。 ◆狩野浩志 委員   アドバイザーの派遣も良い取組だが、離乳豚舎前室の整備は、アドバイザーの派遣が開始する前から要望があった内容である。農家からの要望に対して、スピード感を持って対応してもらいたいがどうか。 ◎梅村 家畜防疫対策室長   県としても、可能な限り迅速に対応していきたい。 ◆亀山貴史 委員   消費・安全対策交付金事業については、離乳豚舎室整備は12戸、車両消毒エリアの整備は10戸と、それぞれ要望農場数が記載されているがどのように把握したのか。 ◎梅村 家畜防疫対策室長   事業実施主体であるJA等を通じて各農家に対し案内を行い、要望をとりまとめた。新たな事業であり、実施条件等に若干の変更はあると考えられるが、十分に対応できる予算を計上している。なお、令和5年度分の要望についても今後調査を行う予定である。 ◆亀山貴史 委員   狩野委員からも指摘があったが、農家からの事業要望に対してスピード感を持って取り組んでほしい。 ◆萩原渉 委員   浅間牧場の草地・施設整備事業における事業実施箇所について説明をお願いしたい。 ◎砂長 畜産課長   資料中赤線で囲われた部分が今回の補正予算により実施を予定している箇所である。緑色で囲われた部分は事業が完了した箇所である。 ◆萩原渉 委員   草地整備改良起伏修正についてはどうか。 ◎砂長 畜産課長   資料中、左下の赤線で小さく囲われた部分である。 ◆萩原渉 委員   事業の目的として、現在の採草地面積では粗飼料が不足する等の理由で増頭が困難であることが挙げられているが、受託頭数の目標や需要に対応するための面積はどうか。 ◎砂長 畜産課長   浅間牧場では、平成31年度から令和5年度にかけて草地・施設整備事業を行っており、現在の夏季470頭、冬季330頭の飼養体系から、通年で600頭に増頭する目標としている。増頭した分の粗飼料を賄うために、草地整備事業を実施しているところである。 ◆萩原渉 委員   通年で600頭の目標を達成するためには、冬季330頭の飼養体系から考えると大幅に面積を増加する必要があるように感じるがどうか。 ◎砂長 畜産課長   600頭の粗飼料を賄うために必要な面積を試算した上で事業に取り組んでおり、令和5年度まで草地面積を改良することによって十分な量を賄うことができると考えている。 ◆萩原渉 委員   計画している採草地面積を整備することによって、目標頭数に対して十分な粗飼料が確保できるということでよいか。 ◎砂長 畜産課長   そのとおりである。草地改良を行うとともに、大型重機によって効率的に刈り取りを行うことにより、十分な粗飼料を賄うことが可能であると考えている。 ◆萩原渉 委員   浅間牧場は地域にとって重要な施設であるので、地元の声をよく聞きながら、また、計画についても詳細を説明していただきながら事業を進めてほしい。 ○岸善一郎 委員長   以上で、付託議案の質疑は終了いたしました。 △所管事項の説明 ○岸善一郎 委員長   続いて、所管事項の説明をお願いします。 ◎小沼 農政部副部長   (「資料5 みどりの食料システム法に基づく基本計画(素案)−概要版−」について説明) ◎岸 蚕糸園芸課長   (「資料6 『ぐんまフラワーパークリニューアル基本計画骨子について」及び「資料7 ぐんまフラワーパーク リニューアル基本計画策定までの経緯」について説明) ○岸善一郎 委員長   以上で、所管事項の説明は終わりました。 △所管事項の質疑 ○岸善一郎 委員長   これより、所管事項の質疑を行います。  委員の質疑及び執行部の答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。 ◆狩野浩志 委員   みどりの食料システム法に基づく基本計画において、作物残さの処理については、計画上ではどこに位置づけられているのか。
    ◎今井 生産環境室長   資料中では直接的には記載していないが、「環境負荷低減事業活動として求められる事業活動」に含まれている。 ◆狩野浩志 委員   本計画の内容については農家からの要望を反映するべきと考えるがどうか。 ◎相澤 農政課長   本計画に盛り込んだ内容については、市町村と共同で作成されており、各項目の実現に向けて、国の補助事業等が活用しやすくなり、計画に掲載した取組を優先的に実施する方向で施策を進めていくことになると考えている。農家等からの要望をしっかりと受け入れた上で、市町村の実情も把握しながら、国の補助金等を活用して施策を進めていきたい。 ◆狩野浩志 委員   本県では標高差を生かして、多様な農畜産物が生産されている。品種が多様であることから、農家等からの要望を計画に盛り込むことには苦労も多いと思われるが、本県の全ての農家が恩恵を享受できるような計画としてほしい。  イノシシの生息数が増加しているようだが状況はどうか。また、先日は前橋市市之関町で捕獲された野生イノシシ1頭について豚熱の陽性反応が確認されている。県内の地理的分布はどのような状況か。 ◎小野 里鳥獣被害対策支援センター所長   イノシシ有害捕獲頭数は、令和元年度は約7,000頭と過去最高となり、豚熱発生後の令和2年度は約5,000頭、令和3年度は約2,000頭と減少したが、本年度は増加傾向にある。上期における補助金交付金額ベースでは、昨年度と比較して約40%増加している状況である。県内全域生息分布については把握していないが、捕獲状況を確認しながら、今後検討していきたい。 ◆狩野浩志 委員   赤城南面地域において豚熱陽性イノシシが多く確認されているように感じる。赤城南面地域ではネット式囲い罠設置等の取組を実施しているが、引き続き、同地域において重点的に捕獲を進めてほしいがどうか。 ◎小野 里鳥獣被害対策支援センター所長   赤城南面地域においては、イノシシ捕獲強化に努めていきたい。今年度は、5月及び11月に前橋市、桐生市及び猟友会など関係者との会議を開催しているほか、河川の緩衝帯整備捕獲強化に取り組んでいる。 ◆狩野浩志 委員   ネット式囲い罠設置効果についてはどうか。 ◎小野 里鳥獣被害対策支援センター所長   前橋市内に10月25日に設置したところ、11月25日に3頭のイノシシを捕獲した。なお、捕獲したイノシシは豚熱に感染していなかった。 ◆狩野浩志 委員   効果を検証し、有効であれば、捕獲強化のために範囲を広げて実施してほしい。  河川の緩衝帯整備について、現在の整備状況はどうか。今回、伊勢崎市からも河川の伐木除草を実施し、緩衝帯の設置を求める趣旨の請願が提出されており、令和5年度当初予算についても十分な予算を確保してほしいがどうか。 ◎倉本 技術支援課長   令和4年度当初予算分では、荒砥川・粕川の2河川を整備中であり、9月補正予算分では、前橋市、桐生市、高崎市の3市において整備する計画である。令和5年度においても、しっかりと予算を確保し、引き続き赤城南面地域及び伊勢崎市に通じる河川の緩衝帯整備に取り組んでいきたい。 ◆狩野浩志 委員   侵入防止柵を整備する補助事業については、2戸以上であることを要件としているが、1戸でも補助対象としてほしい旨の声を聞いているがどうか。 ◎倉本 技術支援課長   鳥獣被害防止総合対策交付金は3戸以上、県単独小規模農村整備事業では2戸以上となっている。複数戸により広域的に整備する方が被害を効果的に軽減でき、設置コスト維持管理の負担も軽減できると考えている。市町村によっては、1戸でも整備できる単独補助事業を実施しており、各事業で棲み分けを行いながら地域の実情に応じて活用している。 ◆狩野浩志 委員   前橋市における単独事業実施状況はどうか。 ◎倉本 技術支援課長   県内18市町村において市町村単独侵入防止柵設置事業を実施しており、そのうち16市町村では1戸でも整備できる。前橋市では市単独で侵入防止柵を設置する事業を実施していない。 ◆狩野浩志 委員   16市町村の詳細はどうか。 ◎倉本 技術支援課長   高崎市、桐生市、太田市、沼田市、富岡市、安中市、みどり市、上野村、神流町、下仁田町、南牧村、中之条町、嬬恋村、草津町、東吾妻町及び片品村の16市町村である。 ◆狩野浩志 委員   豚熱対策も含め鳥獣被害対策は県政の最重要課題と考えており、今後も県庁全体で取り組んでほしい。また、飼料や資材等の各種経費の高騰によって、多くの農家が大変苦労している状況であり、関係団体からも要望書が提出されている。来年度に向けて、現状をしっかりと把握し、幅広く県内農家に対する支援策を検討してほしいが部長の見解はどうか。 ◎倉澤 農政部長   農業経営は非常に厳しい状況と認識している。国の事業等を十分に活用するとともに、現状をよく把握しながら、技術的な面も含めて支援していきたい。 ◆萩原渉 委員   ぐんまフラワーパークリニューアルに際して、周辺の県立赤城公園及び県立ぐんま昆虫の森との連携はどのように検討されたのか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   県有施設あり方検討においては、県と前橋市とでワーキンググループを設置しており、その中のフラワーパーク部会において、観光部署も含めて連携策を検討しているところである。 ◆萩原渉 委員   前橋市との連携ではなく、県有施設あり方について総合的な見直しが進められている中で、フラワーパーク周辺県立赤城公園県立ぐんま昆虫の森も含めて、赤城南面地域全体として考えていく必要があると考えている。赤城南面地域全体として部局横断的な検討はされていないのか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   赤城南面地域の全体的な検討状況は承知していない。 ◆萩原渉 委員   赤城南面地域には3つの県有施設があり、それぞれの施設の強みを連携して生かすことができると考えているが、こうした視点はなかったのか。フラワーパーク単体で事業を継続していくことにも無理があると感じている。施設間の連携は承知していないとのことだが、プロポーザルにおいても条件としていないのか。 ◎土屋 鳥獣被害対策担当参事   リニューアル検討当時の担当課長であった立場から答弁させていただく。これまで、あしかがフラワーパーク、ひたち海浜公園など北関東にあるフラワーパークとの連携や前橋市が新設する道の駅等との連携について検討を行ってきたところである。 ◆萩原渉 委員   そのような検討があったのであれば、今後、基本計画にどのように反映していくのかが重要であると考える。県有施設は県民の大切な資産であり、税金を投入することから、議会としては県有施設全体として見直しの経過を見てきている。他施設と連携することで強みをより強固なものとする視点が大事である。基本計画の骨子が示された段階ではあるが、今が大変重要な岐路にあると感じている。管理運営計画では平均客単価2,000円としているがどのような根拠で算出しているのか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   客単価の内訳は、入園料及び園内での飲食やアクティビティ等自主事業の合計で2,000円としている。あしかがフラワーパークいばらきフラワーパーク等、他の類似施設における状況を調査し、平均客単価1,900円の実績の施設があったことから、飲食や物販、アクティビティなどソフト面を充実させることで実現可能な数字だと考えている。積算上は入園料1,000円、自主事業1,000円と設定している。園内のレストランについては、入園者の2割程度、その他の飲食で1割程度の方が利用することを想定している。物販については、オリジナル商品の開発等により2割程度の方が購入することを、アクティビティについては1割程度の方が利用することを想定している。自主事業で1,000円とした目標は挑戦的ではあるが、リニューアル工事の実施及びソフト面の充実により達成していきたい。 ◆萩原渉 委員   客単価2,000円で35万人の集客を実現することは本当に大変なことである。リニューアルによって、来場者を増加させることはできると思うが、客単価2,000円については、現実的には非常に難しいと思う。リニューアルにかかる工事費はどの程度を想定しているか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   現時点ではまだ明らかでない。 ◆萩原渉 委員   工事費が明らかでなければ、客単価来場者数目標設定もできないと思うのだが、概算の工事費についても明らかではないのか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   工事費については基本設計の中で精査することとしている。設計作業を進める中で概算工事費は明らかになるものと思われる。参考として、令和3年4月にリニューアルオープンした、いばらきフラワーパーク工事費は約20億円である。ぐんまフラワーパークは、いばらきフラワーパークよりも1.5倍の面積を有しており、昨今では資材・人件費等も高騰している状況であるが、可能な限り国の補助金等を活用し、県費支出を抑えていきたいと考えている。 ◆萩原渉 委員   概算の工事費も明らかでなく、全体の事業費が見えない計画は良くないと考える。工事費を含め、全体の事業費を考慮した上で、客単価来場者数の目標に関する説明をするべきだと思うがどうか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   来場者数及び客単価については、近隣の類似施設の状況を調査して設定したものである。設定した目標を達成するためにリニューアルを実施したいと考えている。 ◆萩原渉 委員   いばらきフラワーパークの1.5倍の面積を有するぐんまフラワーパークでは単純計算で約30億円の工事費を要すると想定される。30億円の投資を回収することは容易なことではない。工事費も明らかでなく、赤城南面地域の連携も反映されていないことから、見直すべきと考えるが部長の見解はどうか。 ◎倉澤 農政部長   今回意見のあった内容については、基本設計を実施する中で検討していきたい。 ◆萩原渉 委員   骨子の中に精査された事業計画が記載されていないことは良くない。県有施設は県民の財産である。廃止も含めて検討された中で、フラワーパークについては存続させることが決定しており、採算の合う施設にしていかなければならない。採算の合う施設とするためには、目玉となるものを考えていかなければいけない。赤城地域の他の県有施設との連携など、集客力を高める検討を行ってほしい。 ◎倉澤 農政部長   要望のあった点も踏まえて検討を進めていきたい。また、随時、検討の途中経過等も報告しながら進めていきたい。 ◆伊藤祐司 委員   配合飼料価格の高騰が長期化しており、畜産危機とも言われる状況である。これまで配合飼料価格安定制度によって、高騰分は補てんされてきたが、その財源も不足していると聞いている。また、借入を行うことで経営を継続している農家もいると聞いている。特に酪農家が置かれている現状は深刻であり、廃業が広がることも懸念される。県として、現時点でどのような対策を実施しているのか。 ◎砂長 畜産課長   5月補正予算において、配合飼料価格急騰に対し、配合飼料1トンあたり600円の支援を行った。また、9月補正においては、輸入粗飼料の高騰に対し、乳牛1頭あたり14,600円の支援を行っている。そのほか、県産粗飼料の生産拡大のための機械導入支援を行っている。 ◆伊藤祐司 委員   今後は高騰分を全額補てんすることが重要になると思う。一義的には国の役割だと思うが、愛知県や静岡県では、高騰分の1/2を補助している。新たに県独自で補てんを実施するべきだと考えるがどうか。 ◎砂長 畜産課長  国の支援策や各農業団体からの要望に対する対応を注視しながら検討していきたい。 ◆伊藤祐司 委員   このままの状況が続くとすれば、畜産業は大変な事態に陥る。全国の知事や議会が団結して取り組んでいく必要があると思う。県としても努力していただきたい。  先日、新潟大学の伊藤龍史准教授を招き、群馬県農業のポテンシャルを生かす農政のあり方をテーマに学習会を開催した。学習会では群馬県農業のポテンシャルは非常に大きいと指摘されており、その理由として小規模複合経営の先進的な取組や集落営農が根付いていることが挙げられていた。集落営農を維持するためには、兼業農家をこれ以上減らさないことや定年退職後に農業に携わりながら生活できる集落作りが必要とのことである。今後の農政のあり方を考える中で集落を維持するための視点を持つべきと考えるがどうか。 ◎相澤 農政課長   兼業農家と聞くと副業として農業に従事しているように思われることもあるが、先祖伝来の農地を自ら耕して作物を作ることは生半可なことではなく、皆さん立派な農家である。また、実際に農村を支えるために非常に大きな役割を果たしており、今後も農業に興味を持って、生きがいを持ちながら、農業に従事してもらうためにはどうしたらよいか、常に考えているところである。兼業農家の割合は農家全体の約75%を占めており、集落機能を維持するために、水路の整備や景観の維持等に努めており、その仕事を通じて、土地の荒廃を防いでいることから食料の安全保障の観点からも非常に貢献をしている。こうした兼業農家に対して、県では補助事業を活用した機械導入支援収入保険加入促進集落営農への組織化など、経営安定に向けた支援を行ってきた。今後とも、集落全体で農地を維持し将来につなげていけるよう支援していきたい。 ◆伊藤祐司 委員   個人的には農村集落を維持するための取組を本県農政の施策の柱の一つとしてもらいたいと考えている。効率を優先して、農地の集約と大規模化が推進されているが、伊藤准教授からの指摘によれば、農地の集約化を進めたことで、中心的な役割を担う農家が突然に倒れてしまうことによって、農地の維持が困難となっている事例も出始めているとのことである。効率化のために農家を減らすことや農地を集約することにも危険性があると考えている。また、スマート農業の推進に関しても、集落から人を減らすことから注意すべきである。農村集落を維持するための取組を県農政の施策の柱とすることについて部長の見解はどうか。 ◎倉澤 農政部長   本県農業については、標高差や首都圏に近い立地条件、多様な品目の農産物が生産されている点からもポテンシャルがあると感じている。本県においても農地の大規模化は進められているが、多様な規模の農家がある。本県農業ポテンシャルを十分に発揮するためには、大規模化を進める「産業政策」とともに、「地域政策」もしっかり進めていく必要がある。このため、現行の群馬県農業農村振興計画においても、「地域施策」を施策の柱として位置づけており、今後とも多様な農業者が活躍でき、農村の集落機能等を維持できるよう各種施策に取り組んでいきたい。 ◆伊藤祐司 委員   今後とも「集落」という観点での施策にしっかりと取り組んでほしい。 △休憩(11:50〜) ○岸善一郎 委員長 
     暫時、休憩いたします。12時50分から再開いたします。  (休憩(11:50〜12:50)) △再開(12:50〜) ○岸善一郎 委員長   環境農林常任委員会を再開いたします。休憩前に引き続き、質疑を続行いたします。 ◆金井康夫 委員   全国和牛能力共進会において上位入賞したことにお祝い申し上げるとともに、農政部の努力についても敬意を表したい。しかしながら、総務省統計局が公表している家計調査の1世帯当たり品目別年間支出金額及び購入数量のデータから集計した、都道府県庁所在市及び政令指定都市のランキングでは、前橋市は肉類の支出金額は最下位となる52位、牛肉は49位、豚肉は39位、鶏肉は52位といった状況である。共進会での結果は消費拡大のチャンスと考えているが、県内での消費拡大の取組はどうか。 ◎砂長 畜産課長   全国和牛能力共進会の入賞実績を県産牛肉のブランド力向上と販売力強化に活用するため、群馬県食肉品質向上対策協議会では、ホームページへの掲載や上州和牛を取り扱っている73店舗に対して、上位入賞のPRチラシの配布等を行っている。 ◎福島 ぐんまブランド推進課長   県産農畜産物を取扱・提供する「ぐんま地産地消推進店」を認定し、身近に食べられる場所を県民等へ広める取組を行っている。10月末現在の認定店は約450店舗となっている。加えて、インスタグラムやフェイスブックなどSNSで情報発信を行っている。これらの取組により、県民の県産和牛の消費拡大を図っていきたい。 ◆金井康夫 委員   よい機会であり、積極的にPRしてほしい。一例として、川場村産のコシヒカリ「雪ほたか」が川場田園プラザにおいて、おにぎりとして販売されることによって消費拡大につながっている。道の駅における販売についても検討してほしい。庁内の関係部局と連携して販売戦略を検討してほしいが部長の見解はどうか。 ◎倉澤 農政部長   庁内他部局としっかり連携しながら、県産和牛の良さをPRして販売促進に取り組んでまいりたい。 ◆金井康夫 委員   畜産農家においては、配合飼料及び物価の高騰により非常に厳しい状況に置かれている。これまでに補正予算により実施した支援策に対する効果についての認識はどうか。 ◎砂長 畜産課長   配合飼料価格に対する支援については、10月末までに農業者に支援金が支払われた。また、粗飼料価格高騰に対する支援は、12月の支払いに向けて事務を進めている。畜産農家には、県の支援する姿勢が伝わったものと認識している。 ◆金井康夫 委員   取組の効果は今後検証していくことになると思うが、率直に申し上げると焼け石に水といった印象を持っている。豚マルキンや牛マルキンも標準的販売価格を基準としており、物価高騰対策にはなっていないことから、物価高騰に対する総合的な対策が必要であると考えている。厳しい経営状況にある畜産農家への金融支援策はどうか。 ◎砂盃 農業構造政策課長   飼料価格高騰など社会的・経済的な環境変化に対応する公的な融資制度としては、日本政策金融公庫に「農林漁業セーフティネット資金」がある。現在、国の物価高騰対策により、借入限度額が引き上げられるとともに、借入当初5年間無利子で、かつ、実質無担保・無保証人で融資を受けられる。融資について県の関与はないが、近くの農協、銀行、信用金庫などの窓口でも相談を受けられるため、物価高騰により経営が厳しい方は早めに窓口に相談してほしいと考えている。 ◎砂長 畜産課長   畜産経営で多額の設備投資や運転資金などにより借入金の返済が滞っている農家においては、畜産特別資金を活用することができる。同資金は、長期・低金利の借入れが可能な資金であり、経営再建を図るものである。 ◆金井康夫 委員   跡継ぎがいない状態で廃業した場合に、技術が継承されないことを非常に心配している。本県の盛んな畜産業を維持するためには若手への技術継承に係る取組も必要である。畜産業への就職斡旋なども含めて支援は検討しているのか。 ◎倉澤 農政部長   就職の斡旋など個別の案件に対する支援は難しいと考えるが、農家の経営相談としては対応していきたい。 ◆加賀谷富士子 委員   みどりの食料システム法に基づく基本計画と有機農業推進計画はどのような整理をしているのか。 ◎今井 生産環境室長   有機農業推進計画は「有機農業の推進に関する法律」に基づき策定しており、有機農業の推進に関して各種制度を活用した個別的な取組内容を記載している。一方、みどりの食料システム法に基づく基本計画については、有機農業を含む環境負荷低減に関する全体的な取組を位置づけている。それぞれが一体となって有機農業を推進していくことを考えている。 ◆加賀谷富士子 委員   最終目標年が異なる両計画において、特別栽培農産物認証の目標指標数値が同じであり、消極的ではないかと感じるがどうか。 ◎今井 生産環境室長   これまでの推移を見極めて設定している。 ◆加賀谷富士子 委員   目標指標数値の設定については検討をお願いしたい。パブリックコメントはどのように実施するのか。 ◎相澤 農政課長   県ホームページ等による周知など、他計画と同様のやり方で実施する予定である。 ◆加賀谷富士子 委員   本計画に対して県民や農家から多くの意見がもらえるよう、しっかり周知してもらいたい。  「野菜王国・ぐんま」総合対策について、事業の実施状況について伺いたい。 ◎岸 蚕糸園芸課長   本事業は、野菜の施設整備や機械導入等を支援し、規模拡大や生産性向上など産地の競争力強化に役割を果たしている。今年度は、69事業、県費186,096千円の要望に対し、採択は35事業、当初予算満額の134,000千円の事業を実施しており、採択率は72%である。 ◆加賀谷富士子 委員   申請件数が多いように感じるが、採択基準はどのようなものか。 ◎岸 蚕糸園芸課長   採択基準については、平成28年度からポイント制度を導入しており、生産者の年齢、栽培品目、県振興施策や過去の採択状況など評価項目の合計ポイントが高い取組から採択している。また、評価項目は、やさい振興戦略会議など関係機関の意見を聞きながら、随時見直しを行っている。 ◆加賀谷富士子 委員   JA佐波伊勢崎からは、例年では、ほぼ100%採択されていたが、今年度は採択数が少なかったと聞いている。予算の減少や採択基準が変更されたのではないかとの相談を受けている。採択基準を周知するとともに、来年度に向けた予算確保をお願いしたい。 ◆亀山貴史 委員   ネット式囲い罠については大変有効な手段であると期待しているところである。従来型の罠とは捕獲した個体の処分作業が異なると思うが、猟友会や関係市との関係も含めどのように実施しているのか伺いたい。 ◎小野 里鳥獣被害対策支援センター所長   ネット式囲い罠では、捕獲した個体が自由に動き回ることができる状態であることから、銃による止め刺しを行う必要がある。そのため、箱罠等よりも技術を必要とする。現在、前橋市及び桐生市で設置しているが、前橋市では市の有害捕獲として猟友会の協力を得て実施している。また、桐生市では、有害捕獲の人的・時間的余裕がない状況を踏まえ、捕獲や止め刺し等の作業を民間事業者に委託している。 ◆亀山貴史 委員   罠に掛かった個体の処分作業には危険が伴うため安全を第一に優先してほしい。また、捕獲個体の処分における体制づくりを迅速にお願いしたい。 ◆高井俊一郎 副委員長   昨日、養鶏業者の方と話をしてきた。飼料価格が約2倍になっているものの、卵の値段は簡単には上げることができないとのことである。利益が全く出ない状況の中でも、取引先や消費者のことを思って事業を継続している現状を共有させていただきたい。先ほど県産ブランドニジマスの飼料価格の高騰対策について説明されたが、県が実施する飼料高騰対策は、どのような畜種・農家が支援対象になっているのか。 ◎砂長 畜産課長   5月補正予算で措置した配合飼料価格高騰対策支援については、全ての畜種に対して支援している。 ◆高井俊一郎 副委員長   畜種によって支援への対応の違いがあるように感じるがどうか。 ◎砂長 畜産課長   配合飼料価格の高騰対策として全ての畜種を対象に支援しているところである。なお、酪農関係については、輸入粗飼料の高騰に対し、乳牛1頭あたり14,600円の支援を行っている。 ◆高井俊一郎 副委員長   畜産農家が置かれている現状を考えると、県としても更なる支援が必要であると考える。  農業分野においても他分野業種との交流が必要と思うがどうか。 ◎相澤 農政課長   食料の安定供給や環境問題から農業を新しいビジネスチャンスとして捉える方も増加していることから、お互いの接点が見つけられるような取組が必要であると考えている。現在、県内の農業者と斬新なアイデアを持つスタートアップ企業とのマッチング事業を実施しているところである。今後とも、他分野との連携を積極的に進めることで、新たな価値を創出し、農業の課題である労働の安定性及び生産性の向上を図り、農業の裾野を広げることへの期待を込めて取り組んでいるところである。 ◆高井俊一郎 副委員長   「食」と「農」の分野には大きなイノベーションの可能性があると感じている。一次産業に従事する方は日々の忙しさから、一歩が踏み出せない方が多いと考えられるため、マッチング事業が必要だと感じている。また、玄米について、生活習慣病などに効能があることがわかってきている。今後、群馬県のブランドとなれば良いと考えるので、玄米の可能性について検討を進めてもらいたい。 ○岸善一郎 委員長   以上で所管事項の質疑は終了いたします。 △付託議案の討論・採決 ○岸善一郎 委員長   これより付託議案の採決に入ります。  議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。  (「なし」との声あり) ○岸善一郎 委員長   討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、農政部関係の議案について、採決いたします。はじめに、第147号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員) ○岸善一郎 委員長   挙手全員であります。  よって、第147号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。  次に、第168号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員) ○岸善一郎 委員長   挙手全員であります。  よって、第168号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
    △請願の審査 ○岸善一郎 委員長   次に、請願の審査に入ります。本委員会に付託された請願のうち、農政部関係の請願は、継続1件、新規1件であります。はじめに、第19号について、執行部から説明願います。 ◎今井 生産環境室長  (第19号「利根沼田地域の農業振興についての請願」について説明) ○岸善一郎 委員長  説明は終わりました。第19号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。 (「趣旨採択」との声あり) ○岸善一郎 委員長   「趣旨採択」との声がありました。それでは、挙手により賛否を問います。「趣旨採択」に賛成の委員は挙手願います。  (挙手全員) ○岸善一郎 委員長   挙手全員であります。よって、「趣旨採択」と決定いたします。続いて、第23号について、執行部から説明願います。 ◎倉本 技術支援課長   (第23号「令和5年度県当初予算編成における予算措置等についての請願」について説明) ○岸善一郎 委員長  説明は終わりました。第23号の取扱いについて、いかがいたしましょうか。 (「採択」との声あり) ○岸善一郎 委員長  「採択」との声がありました。それでは、挙手により賛否を問います。「採択」に賛成の委員は挙手願います。 (挙手全員) ○岸善一郎 委員長  挙手全員であります。よって、「採択」と決定いたします。 △要望書の協議 ○岸善一郎 委員長   午前中の質疑において、ぐんまフラワーパークリニューアル事業につきましては、様々な御意見がありました。ついては、要望書を作成いたしましたのでお配りさせていただきます。  (事務局から案文を配付) ○岸善一郎 委員長   高井副委員長から発言を求められておりますのでお願いします。 ◆高井俊一郎 副委員長   要望書について、読み上げさせていただきます。 (要望書朗読) ○岸善一郎 委員長   要望書を読み上げさせていただいたところでございますが、本案のとおり当委員会として、農政部長に要望いたしたいと思います。挙手により賛否を問います。賛成の委員は挙手願います。 (挙手全員) ○岸善一郎 委員長  挙手全員であります。部長から何か御意見はございますか。 ◎倉澤 農政部長   要望書で御指摘いただいた点については、今後、県基本計画及び基本設計に反映できるよう検討したい。また、各委員にも経過も含めて説明しながら進めていきたい。 △その他 ○岸善一郎 委員長  その他、皆様から何かございますか。 (「なし」との声あり) △散会 ○岸善一郎 委員長   以上で、農政部関係の審査を終了いたします。次の委員会は、7日水曜日、午前10時から再開し、環境森林部関係の審査を行います。 (午後1時41分散会)  委員会記録署名委員   環境農林常任委員会    委員長 岸 善一郎...